インターネットで紹介されている「生命保険ランキング」や「医療保険ランキング」等の情報を見ていると、
「これは筆者にとってのランキングであって、みんなにとってのランキングじゃないよね」
と当たり前のことを思ったりする訳です。
また、1000人以上の規模での人気投票でランキングを作ったとしても、
「このランキングは誰の役に立つのだろう?」
と私は首をかしげてしまいます。
なぜこのようなことを思うのかと言えば、生命保険の選び方には、十人いれば十通りの最適な方法があるからです。
保険は、「備え」です。備えは大きく分類すると、4つの要素があります。
・備えの種類
・備えの範囲
・備えの期間
・備えの大きさ(金額)
これら4つの要素は、みんなにとって同じものになる訳ではありません。
みんな同じ人生を歩んでいませんし、今後も歩むことはありませんからね。
だからこそ、生命保険の選び方は一般の方には難しいとされており、専門家がたくさんおり、それでも正しく理解できる人は少ない訳です。
今回の記事では、最適な生命保険の選び方について解説していきます。保険選びの参考になさってください。
目次
保険選びの前にまず何をすべきなのか
保険を選ぶ前に、必ずやっておくべきことがあります。
それはライフプランを作成することです。
ライフプランとは、直訳すると人生計画という意味です。
これは何のために作るかと言うと、
・現在の生活の状態を知ること
・将来の生活の状態を予想すること
この2つを理解し、今後どのような備えが必要かを認識するためです。
きちんとライフプランを作成するには時間がかかりますし、けっこう大変なので、みんな手を抜くことが多いです。
しかし、この部分をおろそかにすると、最適な保険選びはできません。
たとえば最悪のケースですが、ライフプランが間違っており、大きな備えが必要だと勘違いしたまま保険選びをしたとします。
すると、本来は必要ではなかった高額な保険料の商品に契約してしまいます。
また、悪徳な保険セールスマンと対等に戦うための知識としても、ライフプランは使えます。
ライフプランをきちんと作れば、明確な数字の根拠が出ますから、不安を煽られて高額な保険に無理やり契約させられることもありません。
なので、悪いやつに騙されないためにも、ライフプランは必ず作成しておきましょう。
ライフプランはどのように作ればいいの?
記事の後半でも紹介しますが、結論から言うと、ファイナンシャルプランナーの資格を持っている保険のプロに作成を依頼することをオススメします。
保険相談とセットであれば、有料ではなく無料で受けてくれるところもあります。
何も知らない状態から完璧なライフプランを作ろうとすると、心が折れてしまうのでやめておく方がよいでしょう。
ライフプランを作ったら次は何をするの?
次はようやく、自分に必要な“備え”について考える時間となります。
冒頭でも書きましたが、備えは大きく4つに分類できます。
・備えの種類
・備えの範囲
・備えの期間
・備えの大きさ(金額)
それぞれについて詳しく書いていきますね。
備えの種類とは
備えには様々な種類があります。ここでは、6つの例を挙げましょう。
・死んだときの備えは?
・病気になったときの備えは?
・働けなくなった時の備えは?
・がんになったときの備えは?
・老人になったときの備えは?
・子供の学費のための備えは?
これら備えをリスト化して、保険として分類すると、
・死の備え ⇒ 生命保険
・病気の備え ⇒ 医療保険
・失業の備え ⇒ 失業保険
・がんの備え ⇒ がん保険
・老後の備え ⇒ 個人年金保険
・学費の備え ⇒ 学資保険
こうなります。
こうしてリストにして見てみると、少しだけ保険がわかったような気がしません?
ここまで噛み砕いて理解して、自分に必要な備え(保険)とは何かについて、少しだけ見えてきたかもしれません。
備えの範囲とは
さきほどは保険の種類について説明しましたが、同じ種類の保険商品でも、適応される範囲が違うケースがあります。
分かりやすい例で言うと、たとえば医療保険の場合、多くの種類の病気が適応されている方が、医療保険としては優れています。
当たり前のことですが、どこまでのリスクをカバーしているのか(範囲なのか)は、備えを考える上では必ず知っておくべきです。
備えの期間とは
保険では、備えが必要な期間を設定できます。
たとえば子どもが成人するまでの間は備えが必要ですが、立派に成人したあとはわざわざ高額な保険に加入しておく必要性は薄れていきます。
10年や20年間と一定期間で定められているものを「定期保険」と言います。電車で言うところ「定期券」と同じ考え方ですね。
また、死ぬまで契約が続くものを「終身保険」と言います。
ざっくりとで構いませんので、この2つの言葉は理解しておき、どちらの方が得になるかを考えるといいでしょう。
備えの大きさ(金額)とは
”備えとは何か”と聞かれたら、私は即座に「備え=お金」と答えます。
生命保険は死んだらお金が出ます。医療保険は病気になったらお金が出ます。がん保険もがんになったらお金が出ます。
つまり、備えとはお金です。
当たり前の話ですが、ここまで説明してきた4つの要素
・備えの種類
・備えの範囲
・備えの期間
・備えの大きさ(金額)
は、種類が多く、範囲が広く、期間が長く、金額が大きいと、毎月支払う保険料は高くなります。
なので、
・本当に必要な備えの種類は何か?
・本当に必要な備えの範囲はどこまでか?
・本当に必要な備えの期間はいつまでか?
・本当に必要な備えの大きさはどれくらいか?
を真剣に考えた結果、自分にとって必要な保険を選ぶ訳です。
ようやくここまで考えて、どの生命保険が必要になるか――いよいよ面白いところまで来ます。
正しい生命保険の選び方とは
ここで面白い画像をお見せしましょう。
価格.comで、年齢ごとに生命保険の金額を比較してみました。
条件:25歳・男性/定期保険
条件:30歳・男性/定期保険
条件:35歳・男性/定期保険
条件:40歳・男性/定期保険
まとめ
面白いのは、年齢によって、最安の保険商品が変わるという点です。つまり、各年代によってオススメの商品が変化するということです。
したがって、必ずやるべきなのは、同じ条件の保険商品の比較です。
同じ条件の保険商品の比較は難しい?
特定の保険会社の販売員に相談すると、同じ条件の保険商品で比較することはできません。当たり前の話ですが、彼らは自社商品しかオススメすることはできず、同条件で最安の他社商品を紹介することはできないのです。
だとすれば、比較をしたい場合、色んな保険会社の販売員に相談しなければならないのでしょうか?
いや、そうではありません。そんな面倒くさいことはしなくとも、世の中は便利になっています。
生命保険の相談先としてどこが良いのかについては、別記事「生命保険はどこで相談するのが最も良いのか」を参照ください。