保険相談の際には、よく聞かれる質問です。
「最低限の保障額で生命保険を選んでもらうことはできますか?」
このような質問をされる方は、とても賢いと思います。
しかし、「最低限の保障」をどのように定義するかは、至難の業です。
提案する側にもされる側にも、各種さまざまな想定を広げて、ひとつひとつの不測の事態に対する保障額を計算していかなければなりません。
今回は、最低限の保障額を算出するために必要な考え方について、説明していきたいと思います。
最低保障額を導くための最もシンプルな方程式
最低保証額を計算するためには、以下の4つについて定義する必要があります。
最低保障額 = ①使用可能貯金 + ②他者からの支援 + ③公的制度による保障額 – ④不測事態発生時の最大費用
①はともかくとして、②~④の定義には、知恵と知識が必要となりますので、それぞれ詳しく説明していきます。
他者からの支援とは
ここでの他者とは、いざというときにお金を支援してくれる第三者のことです。
第三者からお金を支援されることに嫌悪感を覚える人は、この章は読み飛ばしてしまいましょう。
例えば、あなたの両親が相当な資産家だとして、不測の事態が発生したときには、両親からお金を支援してもらうことができれば最低保証額は0円になるかもしれません。
他にも親戚やとても仲のいい友人の中にも、あなたのことを支援してくれる人がいれば、最低保証額は相当安く済むかもしれません。
しかし、実際に誰がいくらお金を支援してくれるかどうかについては、あくまでもあなたの感覚値でしかないため、定義を誤るといざというときに大誤算となる危険性がありますので注意しましょう。
公的制度による保障額とは
まずは、この章に関する定義が最も難しいことを理解してください。
なぜなら、公的制度は、時代によって変わっていくものだからです。
日本はとても公的制度に恵まれている国ですが、その公的制度は、大部分が借金により維持されております。永遠と無限に借金ができればよいのですが、いずれは借金ができない状況に陥ります。
すると、公的制度を維持するための資金がなくなるため、公的制度が次々に廃止されていきます。
現時点での公的制度による保障額を定義していたとして、いざというときに、その公的制度が廃止されていたとしたらマズイですよね?
なので公的制度は使えないものとして金額を設定しましょう。
……とまあ、こんな具合に、保険の営業マンに騙されてしまってはいけません。
上記の意見は一部正しいですが、公的制度が大幅に変わってしまったら、保険の見直しをすればいいだけの話です。
よって、現時点での公的制度について、十分に理解し、定義していきましょう。
不足事態発生時の最大費用とは
これをシンプルな計算式に当てはめると、
不足事態発生時の最大費用 = 遺族の支出 – 遺族の収入
となります。
遺族の支出は、保険の世界では、現在の生活費の7割で計算されることが多いです。
遺族の収入は、
・勤労所得
・不労所得
の2種類がありますが、いつの時点から毎月どれだけの金額が発生するかを計算しましょう。
ちなみに、これらを綿密に計算するために最もよい方法があります。
それは、人生設計を作ることです。
参考記事:
悪徳な保険セールスに騙されたくない人へ
まとめ
いかがでしたでしょうか。
上記の方程式を定義していくことで、最低保証額を導き出すことがおわかりいただけましたでしょうか。
ご不明な点や懸念点などがございましたら、コメントしていただけますと幸いです。